2019.07.31 04:15映画 『ばかもの』監督:金子修介、原作:絲山秋子、脚本:高橋美幸、撮影:釘宮慎治、編集:洲崎千恵子、音楽:MOKU、主演:成宮寛貴、内田有紀、小手川祐子、2010年、120分、ゴー・シネマ。酒も煙草も縁のなかった童貞の19歳大学生・秀成(ひでなり、成宮寛貴)は、ある日、飲み屋で額子(がくこ、内田有紀)という年上の女に出会う。そのおでん屋は額子の母親(小手川祐子)が切り盛りしていた。秀成は額子に誘われるままピンク映画を観たあと、額子のへやで一夜を過ごす。秀成はセックスに狂い、酒の味も覚え、額子は愛の対象となるが、額子は突然別れを切り出す。・・・・・・群馬県高崎市を舞台に、年上の気の強い女と、世間知らずのぐうたらな学生の恋の道ゆきを描き出す。秀成を中心に家族や友人という心の...
2019.07.30 13:15映画 『SAFE/セイフ』監督・脚本:ボアズ・イェーキン、製作総指揮:ケヴィン・スペイシー、音楽:マーク・マザースボウ、主演:ジェイソン・ステイサム、キャサリン・チェン、2012年、94分、原題:SAFE(金庫)中国人の少女メイ(キャサリン・チェン)は、大金が入っているある金庫の番号を知っていた。複雑で長い番号を、観た瞬間に覚えるという能力をもっていたので、ロシアンマフィアがメイを誘拐し、その番号を紙に書けという。一方、元警官のルーク(ジェイソン・ステイサム)は、八百長ボクシングで負けるはずが勝ってしまい、大損をした連中から制裁を受ける。メイは、チャイニーズマフィアとロシアンマフィアの略奪戦に巻き込まれるが、隙をみて逃げ出し、地下鉄のホームに逃げてきたところで、ルークと知り合い...
2019.07.29 12:25映画 『悪の教典』監督・脚本:三池崇史、原作:貴志祐介、撮影:北 信康、音楽:遠藤浩二、主演:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太、2012年、129分、東宝。蓮実聖司(伊藤英明)は、ある高校で英語を教えている模範的教師。生徒からの信望も厚く、職員会議でも他の教師をリードするような存在だ。娘がイジメにあっていると言って乗り込んできた父親との対応にも冷静であった。その生徒の家は、庭の周囲に水で満たされたペットボトルがズラリと並んでいた。ある日その家が火事になり、父親は死んでしまう。……学校ものでこの手の映画では『桐島、部活やめるってよ』(2012年)が知られるが、それとは全く別な味つけの映画で、いわゆる三池ワールドの祭典といったところだ。ただ、三池作品としても、よくない方に転ん...
2019.07.28 04:25映画 『ハングリー・ラビット』監督:ロジャー・ドナルドソン、脚本:ロバート・タネン、ユーリー・ゼルツァー、撮影:デヴィッド・タッターサル、編集:ジェイ・キャシディ、音楽:J・ピーター・ロビンソン、主演:ニコラス・ケイジ、ジャニュアリー・ジョーンズ、ガイ・ピアース、2011年、106分、原題:Seeking Justice原題は、正義を探して、だが、よく出てくるキーワードは、腹の減った兎は跳ねる、だ。高校教師ウィル(ニコラス・ケイジ)の妻ローラ(ジャニュアリー・ジョーンズ)が、ある日帰宅途中、車に乗ろうとしたところを襲われ、暴行される。知らせを聞いて病院に駆けつけたウィルは、顔も傷だらけになったローラの姿を見、ショックを受ける。ロビーにいると、ある男が近づき、犯人を殺してやるがどうす...
2019.07.27 12:10映画 『コロンビアーナ』監督:オリヴィエ・メガトン、製作:リュック・ベッソン、アリエル・ゼトゥン、脚本:リュック・ベッソン、ロバート・マーク・ケイメン、撮影:ロマン・ラクールバ、編集:カミーユ・ドゥラマーレ、音楽:ナサニエル・メカリー、主演:ゾーイ・サルダナ、2011年、108分、英仏合作、原題:Colombiana1992年、南米コロンビア・ボゴタで、少女カトレア(アマンドラ・ステンバーグ)は麻薬組織のグループに、その両親を殺されてしまう。カトレアは、死の直前に父に言われたとおり、シカゴに出て、ギャングとして生きる伯父・エミリオ(クリフ・カーティス)の家に身を寄せる。エミリオも、組織に息子を殺されていた。15年後、カトレア(ゾーイ・サルダナ)は、美しくスマートなプロの殺し屋...
2019.07.26 13:45映画 『ある夜のできごと』監督・脚本・編集:鈴木聖史(さとし)、撮影:岩見周平、美術・照明:今井伴也、美術:岩瀬直美、録音・サウンドデザイン:茂木祐介、主演:秦秀明、松尾敏伸、内山信二、2010年、74分。かっちゃん(秦秀明)は東京で雑貨屋をしているが借金もあり客もあまり来ない。ある日、地元・山梨で、同級生とよく寄っていた居酒屋のオヤジの葬式に出るため、喪服を着たまま出かける。葬式の帰りに、ヤスタカ(松尾敏伸)、ケンさん(内山信二)と会い、オヤジを偲ぶということで三人で飲むことになる。三人とも32歳になっていた。七年ぶりに会うことになったにもかかわらず、それぞれがいろいろなことを言い合う。・・・・・・この三人の話と並行して、タイムカプセルを持った女子高生のエピソードが描かれる。...
2019.07.24 05:35映画 『キラー・エリート』監督:ゲイリー・マッケンドリー、原作:ラヌルフ・ファインズ、 脚本:マット・シェリング、 音楽:ジョニー・クリメック、主演:ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、ロバート・デ・ニーロ、2011年、117分、米豪合作、原題:Killer Elite元SAS(英国特殊部隊)隊員のベストセラー小説『フェザー・メン』を元に、かつて利権にからんでSASに息子3人を殺されたオマーンの首長が、殺し屋を雇ってその復讐を果たす。タイトルの“殺しのエリート”とは、公にできない裏工作にも手を染めるSASとその息がかかったフェザー・メンなる極秘保安組織のことで、復讐は達成されたものの、映画そのものにはオチが付いている。殺し屋稼業から足を洗ったダニー(ジェイソン・ステイ...
2019.07.23 11:55映画 『蛇にピアス 』監督:蜷川幸雄、脚本:宮脇卓也、蜷川幸雄、原作:金原ひとみ、撮影:藤石修、編集:川島章正、音楽:茂野雅道、主演:吉高由里子、高良健吾、ARATA、2008年、125分、 ギャガ。駄作。おもしろみのない映画。うったえる力のない映画。主役が三人もいるのにドラマがない映画。映像にも見るものがない映画。映像化しようとした意欲だけは買おう。心情を映像にあらわすのは難しいが、観念を映像化するのは、さらに至難の技だ。それならペーパーのままにしておいたほうがよい。痛みに平気であり、痛みにしか生を感じない…それならその寄ってきたる過去の道筋を描いて突き出してもらわないと、なぜこの女の子がそういう思考に固まってしまうのかわからない。ピアスを入れるシーン、入れ墨を彫るシーン...
2019.07.22 13:05映画 『ホラー・エクスプレス/ゾンビ特急地獄行』監督・原案:ユージニオ・マーティン、脚本:アーナード・ドゥソー、撮影:アレハンドロ・ウルロア、音楽:ジョン・カカヴァス、主演:クリストファー・リー、ピーター・カッシング、テリー・サヴァラス、1972年、88分、スペイン・イギリス合作、原題:Horror ExpressDVDパッケージには副タイトルとして「ゾンビ特急“地獄”行」とある。1906年、中国四川省の山奥からミイラの化石が発見され、発見者のサクストン教授(クリストファー・リー)は、大陸横断シベリア鉄道の豪華列車でそれをモスクワに運ぶことにする。乗車券が買えず駅員とやりあっていたところに、ちょうど医師ウェルズ(ピーター・カッシング)が来て、駅員に金を握らせて乗車できることになる。そのころ、化石を積...
2019.07.21 07:15映画 『インセプション』監督・脚本:クリストファー・ノーラン、撮影:ウォーリー・フィスター、編集:リー・スミス、音楽:ハンス・ジマー、主演:レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、2010年、148分、英米合作、原題:Inception上映中迷って映画館には行かなかったけど、DVDで観てみると、映画館で観てもよかったと思う。この手の映画はとにかく脚本勝負なので、そこがぐらついていると、映像や音楽をうまくやっても失敗になる代物だ。だから、監督自身が脚本を書く映画は、あまり失敗しないようだ。ある一件が起きて動き出す刑事ドラマのようなもの以外は、書いてみるとわかるが、脚本というのはとにかく、始まりが難しい。この映画も映像とは裏腹に、出だしからしばらくはホワンホワンとしているが、ジャスト1...
2019.07.20 14:50映画 『21グラム』監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、脚本:ギレルモ・アリアガ、製作:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ロバート・サレルノ、撮影:ロドリゴ・プリエト、フォルトゥナート・プロコッピオ、編集:スティーヴン・ミリオン、音楽:グスターボ・サンタオラヤ、主演:ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ、2003年、124分、原題:21 Gramsテーマらしきものがあるとするなら、何度か出てくる、‘Life goes on’ということ。命はつながっている云々でなく、人生は続いていくもの、であり、言い換えれば、死んじまっちゃおしまいだ、と取った。いろいろな人間が心臓によってつながっていて、さまざまな運命をたどる、をテーマにしているとするなら、...
2019.07.19 14:45映画 『共喰山』監督・脚本:ジョシュ・リード、主演:ゾー・タックウェル=スミス、クリュー・ボイラン、2010年、84分、オーストラリア映画、原題:PRIMAL(原始の)若い男3人女3人が、オーストラリアの原生林を車で突き進む。目的は、古代原始人の残した壁画を見るためであった。ようやく到着すると、薄気味悪い壁画の残る巨大な岩や洞窟があった。キャンプの準備も終わり、メルが全裸になり、近くの湖で泳いでいるうち、全身を蛭(ヒル)に噛まれてしまう。テントに戻り、休むうち、口から血がにじみ出し、歯が欠けていくのだった。・・・・・・冒頭に12000年前のシーンとして、原始人がひとり、壁に絵を描いているところが映され、そして現在となる。邦題の共喰いはよく考えた。似たシチュエーションで...