監督・脚本:ボアズ・イェーキン、製作総指揮:ケヴィン・スペイシー、音楽:マーク・マザースボウ、主演:ジェイソン・ステイサム、キャサリン・チェン、2012年、94分、原題:SAFE(金庫)
中国人の少女メイ(キャサリン・チェン)は、大金が入っているある金庫の番号を知っていた。複雑で長い番号を、観た瞬間に覚えるという能力をもっていたので、ロシアンマフィアがメイを誘拐し、その番号を紙に書けという。
一方、元警官のルーク(ジェイソン・ステイサム)は、八百長ボクシングで負けるはずが勝ってしまい、大損をした連中から制裁を受ける。
メイは、チャイニーズマフィアとロシアンマフィアの略奪戦に巻き込まれるが、隙をみて逃げ出し、地下鉄のホームに逃げてきたところで、ルークと知り合い、助けられる。そのロシアンマフィアは、ルークの妻を殺した連中であった。
そこからは、元同僚の汚職警官らと、二つのマフィアグループとの駆け引きやアクションが展開される。・・・・・・
例によって、ジェイソン・ステイサムは、アクションシーンで存分の動きを見せ、ニューヨークでのカーチェイスシーンなど見せ場も多く楽しい。
ただし突っ込みどころはたくさんある。例えば、その金庫じたいに大金があることを、ロシアンマフィアはどうやって知ったのかなどは語られない。が、まあいいだろう。
アクションを出すには、その理由がなければならない。観るほうは、単純な敵との戦いでは飽きてきているので、ストーリーをもうひとつ捻ったり付け加えたりするのは常道になっている。それに、アクションシーンのくふうも必要だ。
この映画も、初めは、メイとルークのありさまが、それぞれの過去とともに描写されるので、あちこちに場面が飛ぶが、混乱することはない。
二人が出会うあたりからは、きれいに収束していくので、そこで登場するアクションシーンには意味があり、ストーリーやシーンの運びはいい。
アクションも、車の中から外を撮るなど、いろいろ工夫のあとがあって共感できる。カットからカットへの飛びも鋭い。これは冒頭からそうで、一気に観ることができる。94分が2時間に感じられる。
アクション映画だから、あまりストーリーにこだわらず、アクションシーンに、前後の話からする必然性とそれにふさわしいアクションがあれば、アクション映画は成功だ。
見せるジャンルの映画だからそれでいい。
とするなら、見せるにふさわしい少女を起用してほしい。
はっきり言って。この少女はブスである。
ジェイソン・ステイサムの『トランスポーター1』にも、途中から中国女は絡み、最後まで出るのだが、これもブサイクであった。
アメリカ映画が中国人や日本人の娘や少女を使うと、決まってブスになる。内容からして、可愛げのない役柄ならともかく、どちらの作品もステイサムと絡む準主役だ。民族の違いで、美醜を判断できないのだろうか。そんなこともないだろう。監督を含む製作スタッフによるものと思う。
特にこの映画では、冒頭から登場し、ある才能があり、鍵を握る立場であり、殺しを目の当たりにしたり、逃亡を強いられルークに助けられる役柄だ。
その意味では、どんなにかわいい少女やいたいけな少女でもよかった。それにより、主役を食うとは思えない。
『リトル・ニキータ』(1988年)、『レオン』(1994年)、『コロンビアーナ』(2011年)などは主役であるとはいえ、それなりの容姿の少女を用意できている。
これだけのシチュエーション設定をされたアクション映画で、ステイサムの相手をする役なのであるから、同じ中国系でももっとキュートな少女を選ぶべきだ。それも映画を観る楽しみの一つだからだ。
こんなオカルトに出てきそうな顔では、アクションがよくても興ざめになる。
仕事や社会生活で、表立って少女や女性の容姿をどうこう言うのはまずいと思うが、映画の世界では言っていいのだ。
まあしかし、晩メシあとにでも、気楽に観て楽しめる映画だ。
0コメント