2020.04.28 07:21映画 『チア男子!!』監督:風間太樹、脚本:登米裕一、原作:朝井リョウ「チア男子!!」、撮影:清川耕史、編集:加藤ひとみ、照明:織田誠、美術:仲前智治、録音:石寺健一、音楽:野崎良太 & Musilogue、主演:横浜流星、中尾暢樹、2019年、118分、配給:バンダイナムコアーツ、ポニーキャニオンTVのほうで、途中まで見ていたこともあり、こちらの実写版も見てみた。『桐島、部活やめるってよ』と同じ、朝井リョウ原作であり、『桐島…』は小説からの映画化であるのに対し、こちらは、小説→TVアニメ→映画というプロセスになっている。いずれにせよ。漫画を実写化すると失敗作が多くなるなか、小説からの映画化はわりとうまくいくケースが多く、本作品は間にTVアニメを挟んだこともあり、あ...
2020.04.28 05:59映画 『エロス+虐殺』監督:吉田喜重、脚本:山田正弘、吉田喜重、撮影・スチール:長谷川元吉、美術:石井強司、照明:海野義雄、録音:久保田幸雄、音楽:一柳慧、主演:岡田茉莉子、細川俊之、1970年、216分、白黒、シネマスコープ、配給:日本アート・シアター・ギルド。束帯永子(そくたい・えいこ、伊井利子)が、伊藤野枝の娘、伊藤魔子(岡田茉莉子、伊藤野枝と一人二役)にインタビューをしている。その後、タイトルが出る。アナーキスト、大杉栄(細川俊之)は、妻同様の堀保子(八木昌子)がありながら、二号、正岡逸子(楠侑子)をもち、さらに、辻潤(高橋悦史)の妻、伊藤野枝(岡田茉莉子)とも相思相愛の仲であった。野枝は、平賀哀鳥(稲野和子)の元で、社会運動誌の原稿書きに生き甲斐を見出し、家庭をあ...
2020.04.27 06:47かわいい、とは何か10年前から、「かわいい」という言葉を、総体的に定義しようと試みてきた。かわいい子、かわいい猫、かわいい花、かわいいマスクなど、「かわいい」という形容詞は、人物のみならず、物にも使われる。ところが、かわいい花、とは言っても、かわいい萼(がく)とは言わない。かわいい口、とは言っても、かわいい髭とは言わない。かわいいスズメと言っても、かわいい鷲とは言わない。また、年増の女から若い男を指して、かわいい男、と言うこともある。世間で最もよく頻繁に使われる言葉こそ、定義しようとなると難しい。一度書いてみてから、折に触れ、加筆訂正を繰り返してきた。今後も、それは続くであろうが、目下のところ、「かわいい」の定義は、このようになった。初期においては実体として存在し、それ...
2020.04.27 05:41映画 『ホタル』監督:降旗康男、脚本:竹山洋、降旗康男、撮影:木村大作、編集:西東清明、音楽:国吉良一、主演:高倉健、田中裕子、2001年、114分、東映。『夜叉』(1985年)と、監督・撮影・主演二人が同じである。桜島を望む鹿児島県垂水市(たるみずし)の海潟(かいがた)漁港を主な舞台とし、そこを生活の糧とする山岡秀治(高倉健)・知子(田中裕子)夫婦の物語。秀治は漁師である。秀治は、戦争末期、神風特攻隊の一員であったが、出撃寸前に終戦となった。知子には、当時、秀治の先輩に当たる金山文隆(キム・ソンジェ、김선재、小澤征悦)という恋人がいたが、金山の散華により、その後、秀治と結婚した。秀治と同じ隊の藤枝洋二(井川比佐志)は、雪深い青森から、孫娘の藤枝真実(水橋貴己)ととも...
2020.04.25 13:32映画 『アルキメデスの大戦』監督・脚本・VFX:山崎貴、原作:三田紀房『アルキメデスの大戦』、撮影:柴崎幸三、編集:宮島竜治、音楽:佐藤直紀、主演:菅田将暉、2019年、130分、配給:東宝。 1933年(昭和8年)、海軍では新造艦をめぐる議論が盛んになってきていた。永野修身中将(國村隼)と山本五十六少将(舘ひろし)は、いずれは航空機での戦いの時代が来るとし、航空母艦の必要性を説き、藤岡喜男少将(山崎一)の設計した空母を提案する。一方、大艦巨砲主義の信念をもつ嶋田繁太郎少将(橋爪功)は、平山忠道技術中将(田中泯)が作った巨大戦艦の模型を見て、大いに感嘆する。こうして、海軍首脳部では、航空主兵主義派と大艦巨砲主義派との対立が鮮明になっていた。これを決定する大角大臣(小林克...
2020.04.24 01:52映画 『若者のすべて』監督:ルキノ・ビスコンティ、原作:ジョバンニ・テストーリ、原案:ルキノ・ビスコンティ、ヴァスコ・プラトリーニ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、脚本:ルキノ・ビスコンティ、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、マッシモ・フランチオーザ、エンリコ・メディオーリ、撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ、編集:マリオ・セランドレイ、音楽:ニーノ・ロータ、主演:アラン・ドロン、1960年、177分、イタリア、フランス合作、イタリア語、白黒、原題:Rocco e i suoi fratelli(ロッコと彼の兄弟)イタリア南部の田舎町から列車に乗ってきた未亡人のロザリア・パロンディ(カティナ・パクシヌー)とその四人の息子、次男シモーネ(レナート・サルヴ...
2020.04.23 10:44映画 『合衆国最後の日』監督:ロバート・アルドリッチ、脚本:ロナルド・M・コーエン、エドワード・ヒューブッシュ、原作:ウォルター・ウェイジャー『Viper Three』、撮影:ロバート・ハウザー、編集:マイケル・ルチアーノ、ウィリアム・マーティン、モーリー・ワイントローブ、音楽:ジェリー・ゴールドスミス、主演:バート・ランカスター、リチャード・ウィドマーク、1977年、146分、原題:Twilight's Last Gleaming原題は、アメリカ合衆国国歌「星条旗」の歌詞から引用されている。 ベトナム戦争終結から6年が経った1981年、殺人罪で服役中だった元空軍大佐・デル(バート・ランカスター)は、仲間のパウエル(ポール・ウィンフィールド)、ガルバス(バート・ヤン...
2020.04.22 03:04映画 『セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身』監督:ジョン・フランケンハイマー、脚色:ルイス・ジョン・カルリーノ、原作:デイヴィッド・イーリー、撮影:ジェームズ・ウォン・ホウ、編集:フェリス・ウェブスター、美術:テッド・ハワース、音楽:ジェリー・ゴールドスミス、タイトルデザイン:ソウル・バス、主演:ロック・ハドソン、1966年、103分、原題:Seconds邦題では、「アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身」というサブタイトルが付いている。原題は、Seconds と複数形であることに注意したい。 銀行の幹部役員アーサー・ハミルトン(ジョン・ランドルフ)が列車に乗ろうとすると。いきなり見知らぬ男にメモを渡される。そこには、ラファイエット通り34番地と書いてあった。翌日、その場所...
2020.04.21 08:37映画 『消えた拳銃』監督・製作:バズ・キューリック、脚色:マン・ルビン、原作:ホイット・マスターソン、撮影:ジョゼフ・バイロック、音楽:ジェリー・ゴールドスミス、主演:デイヴィッド・ジャンセン、1967年、100分、カラー、原題:The Warning Shot(=威嚇射撃)警部トム・ヴァレンス(デイヴィッド・ジャンセン)は、相棒ムッソ(キーナン・ウィン)とマンションを張り込み中、不審な男が出てきたので声をかけたが、男が拳銃をかまえ、トムに向けたので、すかさず発砲し、射殺してしまった。男は脇のプールに落ちたので、トムが引き上げたが、相棒と探しても、男の持っていた拳銃は発見されずじまいであった。早速、上司のロイ・クローディン(エド・ベグリー)に呼ばれ、なぜ、威嚇射撃をしなっ...
2020.04.20 02:51映画 『ゼニガタ』監督:綾部真弥、脚本:永森裕二、撮影:伊藤麻樹、編集:岩切裕一、美術:中谷暢宏、照明:尾下栄治、録音:飴田秀彦、音楽:仙波雄基、主演:大谷亮平、小林且弥、2018年、111分、配給: AMGエンタテインメント=スターキャット静岡県のとある港町にある居酒屋が舞台。銭形富男(大谷亮平)・銭形静香(小林且弥)兄弟が営む居酒屋「銭形」は、同時に、闇金稼業も行っている。十日で三割の利子を付ける<とさん>という違法な高利貸しであった。ある晩、静香は、ヤンキーグループ4人に殴られ、寝転がっていたが、そのうちの一人、樺山博史(玉城裕規)が助っ人を頼んだボクサー上がりの剣持八雲(田中俊介)を、起き上がったうえ、殴り飛ばしてしまう。静香と店に戻った4人と八雲は、...
2020.04.19 03:11映画 『家族の肖像』監督:ルキノ・ヴィスコンティ、脚本:ルキノ・ヴィスコンティ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、エンリコ・メディオーリ、撮影:パスクァリーノ・デ・サンティス、編集:ルッジェーロ・マストロヤンニ、音楽:フランコ・マンニーノ、主演:バート・ランカスター、ヘルムート・バーガー、1974年、121分、イタリア映画、フランス合作、英語、原題:Gruppo di famiglia in un interno(インテリアの中の家族集団)英語版=Conversation Piece英語題の「Conversation Piece」とは、18世紀イギリスで流行した「家族の団欒を描いた絵画」のことだそうだ。美術史の研究をしている老年の教授(バート・ランカスター)は、ローマのアパルト...
2020.04.18 01:02映画 『恐怖と欲望』監督・製作・撮影・編集・音響:スタンリー・キューブリック、脚本:スタンリー・キューブリック、ハワード・サックラー、音楽:ジェラルド・フリード、ナレーター:デヴィッド・アレン、主演:フランク・シルヴェラ、1953年、62分、白黒、原題:Fear and Desireキューブリック、24歳のときの初の長編映画。自分たちの軍用機が攻撃され、敵陣の奥地の森に無傷で放置されたのは、コービー中尉(ケネス・ハープ)以下、軍曹のマック(フランク・シルヴェラ)、フレッチャー(スティーブ・コイト)、一番若いシドニー(ポール・マザースキー)の4人であった。コービー中尉の指示で、マックが付近を偵察すると、少し行ったところに川があることがわかった。4人は、筏を作って、川を下り。...