映画 『合衆国最後の日』

監督:ロバート・アルドリッチ、脚本:ロナルド・M・コーエン、エドワード・ヒューブッシュ、原作:ウォルター・ウェイジャー『Viper Three』、撮影:ロバート・ハウザー、編集:マイケル・ルチアーノ、ウィリアム・マーティン、モーリー・ワイントローブ、音楽:ジェリー・ゴールドスミス、主演:バート・ランカスター、リチャード・ウィドマーク、1977年、146分、原題:Twilight's Last Gleaming


原題は、アメリカ合衆国国歌「星条旗」の歌詞から引用されている。 


ベトナム戦争終結から6年が経った1981年、殺人罪で服役中だった元空軍大佐・デル(バート・ランカスター)は、仲間のパウエル(ポール・ウィンフィールド)、ガルバス(バート・ヤング)と共に脱獄し、モンタナ州にある9基のミサイルを配備する基地を占拠する。デルは、ミサイル発射やその他の操作についても知識を持っているので、その基地を他の基地からコントロールできないよう操作する。

デルは、自分に不当な扱いをした将軍のマーティン・マッケンジー(リチャード・ウィドマーク)に復讐をする意味もあり、マッケンジーを通じ、アメリカ政府に1000万ドルの要求と国外脱出を要求する。要求が叶えられなければ、9基のミサイルを順にすべて、ソ連に向けて発射する、と脅した。マッケンジーはすぐさま大統領(チャールズ・ダーニング)に連絡し、大統領は政府幹部を招集して、対応を練ることになった。・・・・・・


邦題は意訳し過ぎで、実際には最後ではない。大統領が命を投げ打ってでも、テロリストなどには負けない、という強いメッセージを発する映画となっている。


デルらが基地に侵入したあとは、彼らのいるへやが主な舞台となり、外部としては、それと対照するように、大統領の執務室が主な舞台となっている。

ストーリー運びはよかった。特に、大統領が、いよいよ、自ら基地に赴いて、デルらと対決することを決断するくだりはすばらしい。ラスト近く、デルらに気付かれないよう配置された兵士らが緊迫しているシーンもよかった。


カメラワークに特別なものはないものの、ストーリーが興味深いので、一気に観ることができる。エンタメ性も備わっており、各俳優が演技達者ということもあり、充分楽しめる作品となっている。


日常性の地平

映画レビューを中心に、 身近な事柄から哲学的なテーマにいたるまで、 日常の視点で書いています。