2020.08.31 03:41アニメ映画 『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』監督:静野孔文、脚本:大倉崇裕、原作:青山剛昌、撮影:西山仁、編集:岡田輝満、主な声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、2017年、112分、東宝。ある日の早朝、京都・東山のある屋敷で、百人一首の団体「皐月会(さつきかい)」の会員である矢島俊弥が、ビデオで、昨年の皐月杯の映像を見ながら、カルタとりの練習をしていた。そこに何者かが侵入し、正面から日本刀で撲殺されてしまう。・・・・・・いわゆる「和風もの」にして「芸術もの」を題材としている。コナン・シリーズにおける新規開拓は、これからも多方面に広がっていくだろう。京都と大阪が舞台になるせいか、コナンらに並び、ほぼ最初から、服部平次と遠山和葉が出ずっぱりとなる。和葉の大戦相手となる大岡紅葉も、ほとんどレギュラー並...
2020.08.30 11:13映画 『砂の器』監督:野村芳太郎、脚本:橋本忍、山田洋次、撮影:川又昻、編集:太田和夫、美術:森田郷平、録音:山本忠彦、照明:小林松太郎、音楽:芥川也寸志、主題曲作曲・ピアノ演奏:菅野光亮、主演:丹波哲郎、森田健作、加藤剛、緒形拳、1974年、143分、松竹昭和46年6月24日早朝、国鉄・蒲田駅操車場内で、男の撲殺死体が発見された。警視庁捜査一課警部補・今西栄太郎(丹波哲郎)は、所轄の西蒲田警察署刑事課巡査・吉村弘(森田健作)と捜査に当たる。遺留品がなく身元も判明しないため、現場に落ちていたトリスバーのマッチだけが唯一の手掛かりであった。二人の男が話していたとされるその店の従業員から、ズーズー弁で話していた年配のほうの男が、若いほうの男に、「カメダはどうした」などと言...
2020.08.25 15:48映画 『その男、凶暴につき』監督:北野武、監修:黒井和男、脚本:野沢尚、製作・原案:奥山和由、撮影:佐々木原保志、編集:神谷信武、音楽:久米大作、主演:ビートたけし、白竜、1989年、103分、配給:松竹富士。都内、港湾に近い警察署に勤務する我妻(あづま)諒介(ビートたけし)は、捜査に当たっても粗暴で、署内ではほとんど孤立無援の存在である。麻薬の売人、柄本(遠藤憲一)が殺害された件で、部下の菊地(芦川誠)と捜査に当たるが、麻薬の出所が、同僚の岩城(平泉成)らしいというにたどり着く。組織の裏には、清弘(白竜)という殺し屋がおり、清弘を操っている元凶は、表向きではレストランを経営している仁藤(にとう、岸部一徳)であった。清弘を、違法捜査で逮捕した我妻は、ロッカールームで発砲し、警察を...
2020.08.23 15:13アニメ映画 『名探偵コナン 業火の向日葵』監督:静野孔文、脚本:櫻井武晴、原作:青山剛昌、撮影:西山仁、編集:岡田輝満、音楽:大野克夫、主な声の出演:高山みなみ、山口勝平、2015年、112分、東宝。劇場版『名探偵コナン』シリーズの第19作目。監督は、『沈黙の15分(クォーター)』(2011年)、『11人目のストライカー』(2012年)、『絶海の探偵(プライベート・アイ)』(2013年)、『異次元の狙撃手(スナイパー)』(2014年)の静野孔文で、このあと、『純黒の悪夢(ナイトメア)』(2016年)、『から紅の恋歌(ラブレター)』(2017年)を担当した。脚本は、『絶海の探偵(プライベート・アイ)』(2013年)に次ぐ櫻井武晴で、その後、『純黒の悪夢(ナイトメア)』(2016年)、『ゼロの執行...
2020.08.18 14:28映画 『新 極道の妻(おんな)たち 覚悟しいや』監督:山下耕作、脚本:高田宏治、原作:家田荘子、撮影:木村大作、美術:内藤昭、照明:増田悦章、編集:玉木濬夫、録音:堀池美夫、音楽:菊地ひみこ、主演:岩下志麻、1993年、115分、東映。愛知県を拠点とする千之崎組の黒一色のビルが目立ち、住民からは、暴力団追放の提訴がなされ、住民運動が盛り上がるなか、千之崎組敗訴の判決が出た。組長・野木万之助(梅宮辰夫)は住民相手に手を焼いていたが、神戸に本拠を置く日本最大の暴力団・淡野組は、これを機に千之崎組を買収し、中部地方にも勢力を伸ばそうと、雁田(中尾彬)を万之助の義弟・高明(草刈正雄)に合わせ、叔父・笹部(神山繁)を通じ、住民運動の代表である市会議員・春日井(浜田晃)をも買収しようと画策していた。高明の妻・千...
2020.08.17 09:43映画 『顔』監督:阪本順治、脚本:阪本順治、宇野イサム、原案:宇野イサム、撮影:笠松則通、編集:深野俊英、美術:原田満生、照明:石田健司、録音:橋本文雄、音楽:coba、主演:藤山直美、2000年、123分、配給:東京テアトル、セディック・インターナショナル偽名を使ったり美容整形を繰り返すなどして逃亡を続けた、強盗殺人犯、福田和子をモデルにしているが、当該事件を倣うようなストーリーではない。1995年1月14日、阪神淡路大震災の三日前の日の午後、尼崎市がスタートの舞台。吉村正子(藤山直美)は、35歳になっているが、顔もよくなく、肥満体で、引きこもりの生活を続けていた。父はよそへ逃げており、母親(渡辺美佐子)が、従業員一人と、クリーニング店を経営している。正子は、そ...
2020.08.13 04:08映画 『ディナーラッシュ』監督:ボブ・ジラルディ、脚本:リック・ショーネシー、ブライアン・カラタ、撮影:ティム・アイヴェス、編集:アリソン・C・ジョンソン、音楽:アレクサンダー・ラサレンコ、主演:ダニー・アイエロ、エドアルド・バレリーニ、2001年、99分、原題:Dinner Rush舞台はニューヨークの四つ星イタリアレストラン、「ジジーノの店」。創業者で支配人ルイス・クローパ(ダニー・アイエロ)と、その息子で料理長のウード・クローパ(エドアルド・バレリーニ)で切り盛りしている。ルイスは、今は亡き妻とともに、伝統的な家庭料理を提供する店として作り上げてきたが、ウードは芸術的な料理を日々開発し、その人気が口コミとなり、平日の今夜も、著名人を初めとする客で満席であった。ウードは、そ...
2020.08.12 11:19アニメ映画 『二ノ国』監督:百瀬義行、製作総指揮・原案・脚本:日野晃博、原作:レベルファイブ、製作:小板橋、撮影:鯨井亮、編集:野川仁、音楽:久石譲、主題歌:須田景凪(すだ・けいな)「MOIL」、主な声の出演:山﨑賢人、新田真剣佑、アニメーション制作:オー・エル・エム、2019年、106分。準新作で並んでいたので、単に一本のアニメとして観た。ゲームを元に作られた、とまでは知ったが、独立したひとつのアニメ作品として観るとき、出来はだいぶ貧弱だ。ファンタスティックな内容と背景画のきれいさは評価できるのだが、ストーリーやその展開が強引だ。たとえファンタジーの要素を入れるにしても、観ている側に、何がしかの合理性を与えないと、単におとぎ話を並列つなぎしただけのメリハリない展開になる。...
2020.08.12 06:05映画 『金環蝕』監督:山本薩夫、製作:徳間康快、伊藤武郎、原作:石川達三、脚本:田坂啓、撮影:小林節雄、編集:鍋島淳、音楽:佐藤勝、美術:間野重雄、今井高司、主演:宇野重吉、仲代達矢、1975年、155分、東宝。昭和30年代後半、保守政党の総裁選に絡むダム建設入札汚職事件をテーマとしている。総裁選に使われた巨額な資金の穴埋めに焦った官房長官・星野康雄(仲代達矢)は、官邸秘書官・西尾貞一郎(山本學)を、悪名高い金貸しの石原参吉(宇野重吉)の元に遣る。石原は申し出を断り、星野が自分のところに駆け込んできたことに興味をもち、独自に調査を始める。星野は、竹田建設に、福龍川ダム建設について政治献金分を見込んだ金額で落札させようとしていた。竹田建設の専務・朝倉(西村晃)は、星野に...
2020.08.09 12:06映画 『スリー・ビルボード』監督・脚本:マーティン・マクドナー、製作:グレアム・ブロードベント、ピート・チャーニン、マーティン・マクドナー、撮影:ベン・デイヴィス、編集:ジョン・グレゴリー、音楽:カーター・バーウェル、主演:フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、2017年、115分、米英合作、原題: Three Billboards Outside Ebbing, Missouri(ミズーリ州エビング郊外の三枚の広告看板)舞台は、架空の田舎町、ミズーリ州エビング。この町には、いまだに黒人差別、同性愛者差別が残っていた。そんな町の一本道、車を走らせていたミルドレッド・ヘイズ(フランシス・マクドーマンド)は、大きな三枚の広告板(ビルボード)が並んでいるのに気づく。その看板を...
2020.08.07 02:56映画 『鉄道員』監督:ピエトロ・ジェルミ、脚本:アルフレード・ジャンネッティ、ピエトロ・ジェルミ、ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ、原案:アルフレード・ジャンネッティ、製作:カルロ・ポンティ、撮影:レオニーダ・バルボーニ、編集:ドロレス・タンブリーニ、音楽:カルロ・ルスティケッリ、主演:ピエトロ・ジェルミ、エドアルド・ネヴォラ、1956年、118分、モノクロ、イタリア語、原題:Il Ferroviere(鉄道員)アンドレア・マルコッチ(ピエトロ・ジェルミ)は、50歳を迎える鉄道の機関士、妻サラ(ルイザ・デラ・ノーチェ)、アンドレアの妻、長男で無職のマルチェロ(レナート・スペツィアリ)、長女ジュリア(シルヴァ・コシナ)、次男で、兄たちと年の離れた次男サンドロ(エドアルド...
2020.08.03 13:27映画 『ゼロの焦点』監督:野村芳太郎、原作:松本清張、脚本:橋本忍・山田洋次、撮影:川又昻、編集:浜村義康、音楽:芥川也寸志、美術:宇野耕司、照明:佐藤勇、録音:栗田周十郎、主演:久我美子、高千穂ひづる、有馬稲子、1961年、95分、モノクロ、松竹。ラストをはじめ、何度か挿入されるヤセの断崖(石川県羽咋郡志賀町笹波にある断崖絶壁)のシーンが出てくることで、この断崖を全国的に知らしめた作品。板根禎子(久我美子)は、広告代理店に勤める鵜原憲一(南原宏治)と見合い結婚した。新婚旅行を終えた10日後、憲一は、仕事の引継ぎのため金沢へ行くことになり、禎子も駅まで見送りに立った。その後、予定を過ぎても帰京せず、何の連絡もなく、禎子が不審に思っていたところ、勤務先から、憲一が北陸で行方...