2022.05.29 10:16映画 『水の中のナイフ』(改訂)監督:ロマン・ポランスキー、脚本:イエジー・スコリモフスキ、ロマン・ポランスキー、ヤクブ・ゴールドベルク(英語版)、撮影:イエジー・リップマン、編集:アリナ・プリュガル=ケトリング、音楽:クリシトフ・コメダ、主演:レオン・ニェムチック、ヨランタ・ウメッカ、ジグムント・マラノウッツ、1962年、94分、ポーランド映画、ポーランド語、モノクロ、原題:Nóż w wodzie『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年)、『チャイナタウン』(1974年)、『戦場のピアニスト』(2002年)などで知られるポランスキーのデビュー作品。アンジェイ(レオン・ニェムチク)と妻クルィスティナ(ヨランタ・ウメッカ)は、湖でヨットを浮かべて休暇を過ごすため、車を走らせている。 し...
2022.05.26 15:47映画 『灰とダイヤモンド』監督:アンジェイ・ワイダ、脚本:アンジェイ・ワイダ、イェジー・アンジェイェフスキ、原作:イェジ・アンジェイェフスキ『灰とダイヤモンド』(1948年)、撮影:イエジー・ヴォイチク、編集:ハリナ・ナヴロツカ、音楽:フィリプ・ノヴァク、ボフダン・ビェンコフスキ、主演:ズビグニェフ・ツィブルスキ、1958年、99分、モノクロ、ポーランド映画、配給 NCC、原題:Popiół i diament(=灰とダイヤモンド)あらすじは以下のとおり。第二次世界大戦終結直後のポーランドの地方都市が舞台で、時間としては、その日の午後から翌朝にかけてのストーリーである。ドイツ軍が降伏した1945年5月8日午後、マチェク(ズビグニェフ・ツィブルスキ)とその先輩格であるアンジェイ(...
2022.05.22 06:56映画 『影』監督:イェジー・カヴァレロヴィチ、脚本:アレクサンデル・シチボル=ルィルスキー、イェジー・カヴァレロヴィチ、撮影:イェジー・リプマン、美術:ロマン・マン、音楽:アンジェイ・マルコフスキ、1956年、94分、ポーランド映画、モノクロ、配給:ヘラルド、原題:CIEN(=影)あらすじは以下のとおり。1956年現在のポーランド郊外。小型トラックを走らせるカップルは、道路と平行して走る列車の最後部から、ひとりの男が飛び降りるのを目撃する。車を止め、男に近寄ると、顔は無惨に潰れた状態であった。近くに一軒の家がぽつんとあったので、カップルは、その家の誰かに会うために男はここで飛び降りたのだろうと推測し、その家のドアを叩く。中から出てきた老女は、そんな当てはないと怪訝...
2022.05.16 09:02映画 『妖婆』監督:今井正、原作:芥川龍之介、脚本:水木洋子、撮影:宮川一夫、美術:内藤昭、照明:中岡源権、編集:谷口登司夫、音楽:真鍋理一郎、特撮:牧浦地志、主演:京マチ子、稲野和子、1976年、97分、配給:松竹大正8年、東京下町の富豪の屋敷で、その家の娘、お島(京マチ子)と、養子に入った新三(江原真二郎)の婚礼が終わったところから始まる。この屋敷には、お島の父(大滝秀治)・母(東恵美子)以外に、お島の従姉妹で三つ年上のさわ(稲野和子)も暮らしていた。翌日、下女が新三の紋付の袂(たもと)から挿し櫛を見つけた。それはさわのものであった。さわは、幼いころから一緒に育てられてきたものの、何かにつけお島に対し、顔には出さないものの競争心や敵愾心を抱いて今日まで生きてきた...
2022.05.15 11:23映画 『たぶん悪魔が』監督・脚本:ロベール・ブレッソン、製作:ステファン・チャルガジエフ、撮影:パスカリーノ・デ・サンティス、音楽:フィリップ・サルド、主演:アントワーヌ・モニエ、1977年、97分、フランス映画、配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム、原題:Le diable probablement(=たぶん悪魔が)シャルル(アントワーヌ・モニエ)という青年が自殺した、いや、自殺でなく背中に一発、頭部に一発の弾丸を撃ち込まれた他殺だ、とする新聞が冒頭に示され、本編はその6ヵ月前へと遡って開始する。友人に頼んで射殺してもらったわけだから他殺ではあるが、シャルルが撃ってくれるよう依頼しており、自殺には違いない。1970年代、農産物に散布する農薬の安全性や種々の公害が...
2022.05.12 13:42映画 『コーリャ 愛のプラハ』監督:ヤン・スヴェラーク、脚本:ヤン・スヴェラーク、ズデニェク・スヴェラーク、製作:エリック・エイブラハム、撮影:ウラジミール・スムットニー、音楽:オンドレイ・ソウクプ、主演:ズデニェク・スヴェラーク、アンドレイ・ハリモン、1996年、105分、カラー、チェコ映画、原題:Kolyaズデニェク・スヴェラークとヤン・スヴェラークは親子。50代も半ばとなったチェリストのフランティ・ロウカ(ズデニェク・スヴェラーク)は、プラハ市内の尖塔のような建物の最上階に暮らしている。かつてはオーケストラの一員として活躍していたが、今では、葬儀場で死者を送るときに流す音楽の奏者である。たまに母(ステラ・ザーズヴォルコヴァー)の元に寄り、いっしょに食事をする。生活もかつかつの...
2022.05.10 15:19映画 『必死の逃亡者』(改訂)監督:ウィリアム・ワイラー、原作:ジョセフ・ヘイズ『The Desperate Hours』、脚本:ジョセフ・ヘイズ、撮影:リー・ガームス、編集:ロバート・スウィンク、音楽:ゲイル・キュービック、ダニエル・アンフィシアトロフ(クレジット無し)、主演:ハンフリー・ボガート、フレドリック・マーチ、1955年、112分、原題:The Desperate Hours完璧! 何度観てもいい! これを観てない人に<映画>を語ってほしくありません。サスペンスなのに、うれしくなっちゃうね。初めて観たときから記憶に残っていて、折に触れ観てしまう映画だ。この映画の魅力は何なのか。監督のウィリアム・ワイラーはヒッチコックのようにサスペンスばかり撮っていたわけではない。『嵐ヶ...
2022.05.09 14:37映画 『バーバー』監督:ジョエル・コーエン、脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、製作:イーサン・コーエン、撮影:ロジャー・ディーキンス、編集:ロデリック・ジェインズ、トリシア・クック、音楽:カーター・バーウェル、主演:ビリー・ボブ・ソーントン、フランシス・マクドーマンド、カラー(モノクロ版もあり)、2001年、116分、配給:USAフィルムズ、原題:The Man Who Wasn't There白黒とカラーの両方があり、白黒のほうは、カラー用のフィルムで撮影したものを編集でモノクロに変換したものとのこと。このDVDには両方入っている。モノクロのほうで観た。1949年、カリフォルニア州サンタローザの理髪店から話は始まる。エド・クレイン(ビリー・ボブ・ソーントン...
2022.05.08 10:58映画 『暗黒街の顔役』監督:ハワード・ホークス、脚本:ベン・ヘクト、製作:ハワード・ヒューズ、撮影 :リー・ガームス、L・ウィリアム・オコンネル、主演:ポール・ムニ、1932年(昭和7年)、93分、配給:ユナイテッド・アーティスツ、原題:Scarface禁酒法時代(1920年~1933年)のシカゴの夜の街角。トニー・カモンテ(ポール・ムニ)は、対立する大親分ロヴォ(オズグット・パーキンス)に買収され、自分の親分であるルイ・コステロ(ハリー・J・ヴェハー)がパーティ後ひとりになったところを銃殺する。逮捕されるも、ロヴォの計らいですぐに釈放され、ロヴォの直近の手下となる。その後トニーは、南地区の親分を射殺するなど有無を言わさぬ暴力でビール密売の縄張りを奪い、さらにギャフニー(ボ...
2022.05.08 04:27映画 『深夜の告白』(改訂)監督:ビリー・ワイルダー、原作:ジェームズ・M・ケイン『倍額保険』、脚本:レイモンド・チャンドラー、ビリー・ワイルダー、撮影:ジョン・サイツ、編集:ドーン・ハリソン、音楽:ミクロス・ローザ、主演:バーバラ・スタンウィック、フレッド・マクマレイ、エドワード・G・ロビンソン、モノクロ、1944年、107分、原題:Double Indemnity『情婦』(1957年)などで有名なビリー・ワイルダー監督の作品で、ヒッチコックの『サイコ』(1960年)同様、サスペンスの古典といわれる傑作であり、フィルム・ノワールの嚆矢ともされる。保険の外交員、ウォルター・ネフ(フレッド・マクマレイ)は、車輛保険の更新のため訪れたディートリクスン家で、不在の車所有者の夫にかわり、...
2022.05.03 08:46映画 『誓いの休暇』監督:グリゴーリ・チュフライ、脚本:ワレンチン・エジョフ、グリゴーリ・チュフライ、撮影:ウラジーミル・ニコラーエフ、エラ・サヴェリエワ、編集:マリーヤ・ティモフェイェバ、音楽:ミハイル・ジフ、主演: ウラジーミル・イワショフ、1959年、88分、製作会社:モスフィルム、ロシア語、原題:Баллада о солдате(=兵士のバラード)第二次大戦只中のロシアでのストーリー。公開されたのは、フルシチョフがアメリカやフランスなど資本主義諸国との平和共存外交を進め、ソ連の指導者として初めて米国を公式訪問した年でもある。第一線で敵と向かい合う19歳の通信兵アリョーシャ(ウラジーミル・イワショフ)は、仲間がみな殺され、敵の戦車が迫り、ひとり逃げまどうなか、捨て...