2020.01.30 11:44映画 『友だちのうちはどこ?』監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ、製作:アリ・レザ・ザリン、撮影:ファルハッド・サバ、音楽:アミン・アラ・ハッサン、主演:ババク・アハマッドプール、1987年、85分、イラン映画、ペルシア語、原題:خانه دوست کجاست ؟舞台はイラン北部のコケルという村にある小学校で、その教室の入口のドアがオープニングになっている。8歳の少年たちの集まる教室に先生が入ってきて、生徒一人一人のノートを点検する。宿題はノートに書いてくるよう指示してあったが、アハマッド(ババク・アハマッドプール)の友達で、隣に座っているモハマッド・レダ・ネマツァデ(アハマッド・アハマッドプール)は、ノート以外の紙に書いてきていた。これが二回めであったため、先生は、次に同じ...
2020.01.29 14:07映画 『チャイナタウン』監督:ロマン・ポランスキー、脚本:ロバート・タウン、製作:ロバート・エヴァンス、撮影:ジョン・A・アロンゾ、編集:サム・オスティーン、音楽:ジェリー・ゴールドスミス、主演:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン、1974年、131分、原題:Chinatownジョン・ヒューストンは、『マルタの鷹』(1941年)、『アスファルト・ジャングル』(1950年)、『荒馬と女』(1961年)などで知られる映画監督である。1930年代後半のカリフォルニア州ロサンゼルスが舞台。私立探偵ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)のところに、「モウレー夫人」と名乗る女性が来て、夫の浮気を調査してほしいと言う。その夫とは、市水道局施設部長ホリス・モウレ...
2020.01.27 15:33映画 『反撥』監督:ロマン・ポランスキー、脚本:ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ、デヴィッド・ストーン(脚色・台詞)、原案:ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ、撮影:ギルバート・テイラー、編集:アラステア・マッキンタイア、音楽:チコ・ハミルトン、主演:カトリーヌ・ドヌーヴ、イヴォンヌ・フルノー、1965年、105分、モノクロ、イギリス映画、原題:Repulsion(反発)ポランスキーにとっては、『水の中のナイフ』(1962年)の後の作品。本作品のあと、『袋小路』(1966年)、『吸血鬼』(1967年)、『ローズマリーの赤ちゃん』(1968年)といった作品が続く。カトリーヌ・ドヌーヴ、『シェルブールの雨傘』(1964年)の翌年、22歳のときの作品...
2020.01.27 06:06映画 『ザ・バニシング -消失-』監督:ジョルジュ・シュルイツァー、原作:ティム・クラッベ、脚本:ティム・クラッベ、ジョルジュ・シュルイツァー、撮影:トニ・クーン、音楽:ヘンニ・ブリエンテン、主演:ジーン・ベルヴォーツ、ベルナール=ピエール・ドナデュー、1988年、106分、オランダ・フランス合作、オランダ語・フランス語、原題:Spoorloos(痕跡なし)レックス・ホフマン(ジーン・ベルヴォーツ) と恋人のサスキア・ワグター(ヨハンナ・テア・ステーゲ) は、オランダからフランスへと車を走らせている。屋根の上には、二大の自転車を括りつけている。途中、ドライヴインに寄るが、ひとりで飲み物を買いに行ったサスキアが、なかなか戻ってこない。あたりを探しても全く見つからず、三年が経過する。その間...
2020.01.26 06:14映画 『ガタカ』監督・脚本:アンドリュー・ニコル、撮影:スワヴォミール・イジャック、編集:リサ・ゼノ・チャーギン、音楽:マイケル・ナイマン、主演:イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ、1997年、106分、原題: Gattaca「Gattaca」とは、 DNAの基本塩基である guanine(グアニン)、adenine(アデニン)、thymine(チミン)、cytosine(シトシン)の頭文字を使った造語。アンドリュー・ニコルの初監督作品である。冒頭近く、THE NOT-TOO-DISTANT FUTURE(そう遠くない未来、の話)と出る。そう遠くない未来、「ガタカ」という「適合者(valid)」たちが集まる研究所では、宇宙探査のため、ロケットが頻繁に打ち...
2020.01.25 02:02映画 『ノスフェラトゥ』製作・監督・脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク、撮影:イェルク・シュミット=ライトヴァイン、編集:ベアテ・マインカ=ジェリングハウス、美術:ヘニング・フォン・ギールケ、音楽:ポポル・ヴー、衣装デザイン:ジゼラ・ストーチ、主演:クラウス・キンスキー、イザベル・アジャーニ、ブルーノ・ガンツ、1979年、107分、西ドイツ映画、英語、原題:Nosferatu : Phantom der Nacht(ノスフェラトゥ:夜の怪人)ヘルツォークとクラウス・キンスキーが組んだ映画としては、『アギーレ/神の怒り』(1972年)と『フィツカラルド』(1982年)の間に生まれた作品である。 中世ドイツのブレーメンが舞台。不動産業を営むジョナサン(ブルーノ・ガンツ)と妻...
2020.01.24 10:51映画 『袋小路』監督:ロマン・ポランスキー、脚本:ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ、撮影:ギルバート・テイラー、編集:アラステア・マッキンタイア、美術:ヴォイテク・ロマン、音楽:クシシュトフ・コメダ、主演:ライオネル・スタンダー、ドナルド・プレザンス、フランソワーズ・ドルレアック、1966年、112分、モノクロ、イギリス映画、原題:Cul-de-sac(行き止まり)ロマン・ポランスキー、33歳、『水の中のナイフ』(1962年)から4年後の作品。ライオネル・スタンダー、58歳、ドナルド・プレゼンス、46歳、フランソワーズ・ドルレアック、24歳のときの作品。フランソワーズ・ドルレアックは、カトリーヌ・ドヌーヴの姉である。この映画公開の翌年1967年、交通事故に...
2020.01.23 06:11映画 『現金に手を出すな』監督:ジャック・ベッケル、脚本:ジャック・ベッケル、アルベール・シモナン、モーリス・グリッフ、原作:アルベール・シモナン、撮影:ピエール・モンタゼル、編集:マルグリット・ルノワール、音楽:ジャン・ウィエネル、主演:ジャン・ギャバン、1954年、96分、フランス映画、モノクロ、原題:Touchez pas au Grisbi「Grisbi」はフランスの俗語で、「悪さをして得たカネ」の意で、邦題の「現金」は「げんなま」と読ませている。本作品では、金の延べ棒である。監督は、『穴』(1960年)のジャック・ベッケル。強盗団にギャングのボスであるマックス(ジャン・ギャバン)とリトン(ルネ・ダリー)は、馴染みの高級レストランで、これから舞台で踊ることになる若い踊り...
2020.01.21 14:51映画 『恋は緑の風の中』監督:家城巳代治(いえき・みよじ)、脚本:いえきひさこ、撮影:佐藤昌道、照明:飯塚茂、編集:堀江貞子、録音:加藤一郎、美術:横井君夫、音楽:アリス、主演:佐藤佑介、原田美枝子、協力:埼玉県深谷市、1974年、93分、東宝。脚本のいえきひさこ(家城久子)は家城巳代治の妻。家城巳代治の遺作となった。原田三枝子(当時16歳)のデビュー作。佐藤佑介(当時15歳)は、1997年ころ芸能界を引退している。埼玉県深谷市が舞台。愛川純一(佐藤佑介)は、父(道夫、福田豊土)母(夏子、水野久美)と暮らす、すくすくと育つ中学2年生。純一は、仲間と無邪気に中学生活を送るいっぽう、思春期特有の性の目覚めのさなかにあった。そんなある日、同学年の松島雪子(原田美枝子)の存在が気にな...
2020.01.19 16:26映画 『いのちの紐』監督:シドニー・ポラック、脚本:スターリング・シリファント、原作:シャヴァ・アレクサンダー、撮影:ロイヤル・グリッグス、編集:トーマス・スタンフォード、音楽:クインシー・ジョーンズ、主演:シドニー・ポワチエ、アン・バンクロフト、1965年、98分、モノクロ、原題:The Slender Thread(=細い糸)アラン・ニューウェル(シドニー・ポワチエ)は、シアトルの自殺防止協会で電話受付のアルバイトをしている。事務所に着くと、責任者のコバーン博士(テリー・サバラス)が外出するところであった。この日は、一人で仕事をすることになった。さっそく、一本目の電話が鳴った。それは、理容業の男からの電話で、相談というより愚痴をがなるばかりであった。その応対中に、また...
2020.01.19 01:47映画 『忘れないと誓ったぼくがいた』監督:堀江慶、脚本:堀江慶、おかざきさとこ、原作:平山瑞穂『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫刊)、撮影:板倉陽子、照明:緑川雅範、編集:村上雅樹、美術:高橋俊秋、録音:石貝洋、音楽:三枝伸太郎、主演:村上虹郎、早見あかり、2015年、94分、日活。高校3年生の葉山タカシ(村上虹郎)は、ある晩、自転車で角を曲がるとき、ひとりの女子とぶつかってしまう。タカシは謝ったものの、女子は何も言わず、立ち去ってしまう。次の日に偶然同じ子と校内で遇い、同じ学校の生徒だとわかるのだが、いろいろ問いかけても、その子は、進んで口を開こうとしてくれなかった。・・・・・・大変に退屈な作品であった。特に、初めの3分の1は、実に退屈。よいのは、タイトルと設定だけ。バカップルと...
2020.01.18 06:08映画 『ある戦慄』監督:ラリー・ピアース 、脚本:ニコラス・E・ベア、 撮影:ジェラルド・ハーシュフェルド、編集:アーマンド・レボウィッツ、音楽:テリー・ナイト、主演:トニー・ムサンテ、マーティン・シーン、1967年、103分、モノクロ、原題:The Incident(=出来事)深夜午前2時ころ、地下鉄(高架鉄道)にたまたま乗り合わせた人々が、どうしようもない二人組の不良に絡まれる話で、結論として、この二人は、左腕を骨折している若い兵士フェリックス(ボー・ブリッジス)に叩きのめされ、ようやく下車できる。隣の車輛へのドアは壊れていて動かず、不良のひとりがドアを壊したため、途中駅でも誰も降りられない。警官が見回りにくることもなく。不良が妨害するため、非常停止装置を...