2023.12.31 09:06映画 『サスペクト・ゼロ』監督:E・エリアス・マーヒッジ、脚本:ザック・ペン、ビリー・レイ、原案:ザック・ペン、撮影:マイケル・チャップマン、編集:ジョン・ギルロイ、ロバート・K・ランバート、音楽 クリント・マンセル、主演:アーロン・エッカート、ベン・キングズレー、2004年、99分、原題:Suspect Zeroサスペクトとは容疑者で、サスペクト・ゼロとは、特定の犯行パターンがなく捜査線上に上がってこない犯罪者で、プロファイリングも不可能な事件のことをいう。FBI捜査官のトム・マッケルウェイ(アーロン・エッカート)は、ニューメキシコ州の田舎町アルバカーキに着任する。トムは連続児童殺人犯の不当逮捕が原因による一種の左遷であった。トムの着任早々、管轄内で連続殺人事件が発生する。事...
2023.12.25 14:59映画 『ミッドナイトクロス』監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ、製作:ジョージ・リットー、製作総指揮:フレッド・カルーソ、撮影:ヴィルモス・スィグモンド、編集:ポール・ハーシュ、音楽:ピノ・ドナッジオ、主演:ジョン・トラボルタ、ナンシー・アレン、1981年、108分、配給:フィルムウェイズ・ピクチャーズ、原題:Blow Out(=吹き消す、吹き飛ばす、爆破する)小さな映画制作会社で、音響効果を担当するジャック・テリー(ジョン・トラボルタ)は、サスペンス映画の製作中、浴室で悲鳴を上げる音響を撮ろうとするが、その女性の悲鳴が下手でなかなかシーンにも合わないため、上司に文句を言われる。人間の叫び声以外にも、木の葉の擦れ合う音や雷の音など自然の音を集めることもジャックの仕事であった。ある...
2023.12.17 15:08好きな映画一覧 <2023年12月18日(月)更新><2023年12月18日(月)更新><作品名>(前半:洋画、後半:邦画、順不同、アニメ映画を含む)『死刑台のエレベーター』『ディーバ』『カサブランカ』『望郷』『モロッコ』『街の灯』『戦艦ポチョムキン』『メトロポリス』『M』『グランド・ホテル』『靴みがき』『自転車泥棒』『我は海の子』『ドイツ零年』『道』『鉄道員』『刑事』『赤い風船/白い馬』『上海ジェスチャー』『紅塵』『ステラ・ダラス』『レベッカ』『ローラ殺人事件』『ガス燈』『暗黒街の顔役』『回転』『アスファルト・ジャングル』『イヴの総て』『ブルー・ガーディニア』『生きていた男』『汚れた顔の天使』『影』『夜行列車』『世代』『窓』『情婦』『波止場』『空中ブランコ』『ナイアガラ』『紳士は金髪がお好き』『深夜の...
2023.12.17 12:39映画 『男はつらいよ 寅次郎純情詩集』監督・原作:山田洋次、脚本:山田洋次、朝間義隆、撮影:高羽哲夫、編集:石井巌、音楽:山本直純、主演:渥美清、倍賞千恵子、1976年12月、10分、配給:松竹何度も観ている作品ではあるが、レビューするのは初めてだ。シリーズ18作目。マドンナ役は、京マチ子、檀ふみという母子であり異例で、後に恋い慕う柳生綾(京マチ子)が闘病の末逝去するというカタチでの寅次郎の恋の終わりを迎えるという点で、二重に異例な内容となっている。本作品の二年前、『華麗なる一族』(1974年)で、妻妾同居する気の強い愛人・高須相子を演じた京マチ子が、こちらでは、病弱で子供のように無邪気な世間知らずの薄幸な中年女性を演じている。俳優というのは、まことに千変万化の仕事であり興味深い。甥の満男...
2023.12.17 06:06映画 『プリズン・エクスペリメント』監督:カイル・パトリック・アルバレス、脚本:ティム・タルボット、原作 :フィリップ・ジンバルドー「ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき」、撮影:ジャス・シェルトン、編集:フェルナンド・コリンズ、音楽:アンドリュー・ヒューイット、主演:ビリー・クラダップ、2015年、122分、原題:The Stanford Prison Experiment、配給:AMGエンタテインメント1971年にスタンフォード大学で実際に行われた「スタンフォード監獄実験」と言われる心理学の実験を映像化した作品。同じくこの実験をモチーフにした映画として、『es[エス]』(2001年、119分、ドイツ映画)、『エクスペリメント』 (2010年、97分、アメリカ映画、『e...
2023.12.13 15:39映画 『レベッカ』監督:アルフレッド・ヒッチコック、製作 デヴィッド・O・セルズニック、脚本:ロバート・E・シャーウッド、ジョーン・ハリソン、原案:フィリップ・マクドナルド、マイケル・ホーガン、原作:ダフニ・デュ・モーリエ、撮影:ジョージ・バーンズ、編集:W・ドン・ヘイズ、音楽:フランツ・ワックスマン、主演:ジョーン・フォンテイン、ローレンス・オリヴィエ、1940年、130分、モノクロ、原題:Rebecca、配給:ユナイテッド・アーティスツイギリスで活動していたヒッチコックの渡米後第一作となる作品として有名だが、観るのは初めてだ。その後のヒッチコックらしいサスペンスの色合いはまだ淡いが、それ以上に、映画制作者としての力量が存分に発揮された作品だ。ストーリー展開のバランス...
2023.12.12 16:53映画 『我は海の子』監督:ヴィクター・フレミング、製作:ルイス・D・ライトン、原作:ラドヤード・キップリング、脚色:ジョン・リー・メイヒン、マーク・コネリー、デイル・ヴァン・エヴェリー、撮影:ハロルド・ロッソン、編集:エルモ・ヴェロン、美術:セドリック・ギボンズ、音楽:フランツ・ワックスマン、主演:スペンサー・トレイシー、フレディ・バーソロミュー、1937年、115分、モノクロ、原題: Captains Courageous、配給:メトロ・ゴールドウィン・メイヤー『紅塵』(1932年)で知られるヴィクター・フレミングが、『風と共に去りぬ』(1939年)、『ジキル博士とハイド氏』(1941年)の前に撮った作品。原題は上記のとおりであるが、日本には「我は海の子」という有名な童...
2023.12.11 14:08映画 『蝿男の逆襲』監督・脚本:エドワーズ・バーンズ、原作:ジョルジュ・ランジュラン『蝿』、撮影・ブライドン・ベイカー、編集:リチャード・メイヤー、音楽:ポール・トーテル、バート・シェフター、主演:ヴィンセント・プライス、パトリシア・オーウェンズ、1959年、80分、原題:Return of the Fly、配給:20世紀フォックス前作『ハエ男の恐怖』(The Fly、1958年)の続編となっている。前作は現在では『蠅男の恐怖』と漢字表記を使用しているが、テレビでの初放映時には『ハエ男の恐怖』という表記であった。本続編も、テレビ放映時は『恐怖のハエ人間』というタイトル表記であった。いずれも劇場未公開である。「逆襲」というと仕返しのドラマのようであるが、内容的には勧善懲悪の...
2023.12.03 14:47映画 『ハンガリー連続殺人鬼』監督:アールパード・ショプシッツ、撮影:ガーボル・サボー、編集:ゾルターン・コヴァーチ、音楽:マールク・モルドバイ、美術:リタ・デヴェニー、アールパード・ショプシッツ、衣装:ジェルジ・サカーチ、主演:ガーボル・ヤースベレーニ、カーロイ・ハイデュク、2016年11月、121分、ハンガリー映画、原題:A Martfüi Rém(マルトフの恐怖、英語版:Strangled)、配給:キングレコード冒頭、「実話に基づく」と出る。1957年、ハンガリー動乱がソ連によって阻止されるという政治的端境期に、マルトフという小さな田舎町で起きた連続婦女暴行致死事件を元にしている。映画中の時期は、1957年当時と、その7年後と大きく二つに分かたれ、そこに1966年以降のエピソ...
2023.11.12 08:24映画 『青いガーデニア』監督:フリッツ・ラング、製作:アレックス・ゴットリーブ、原案:ヴェラ・キャスパリー、脚本:チャールズ・ホフマン、撮影:ニック・ムスラカ、音楽:ラオール・クロウシャー、主演:アン・バクスター、1953年、88分、原題:The Blue Gardenia電話交換手のノーラ(アン・バクスター)は、同僚の二人、クリスタル(アン・サザーン)、サリー(ジェフ・ドネル)とルームシェアして暮らしている。ノーラ自身の誕生日、朝鮮戦争に従軍している恋人の写真を前に、恋人とあたかも向かい合って乾杯するように、グラスを並べ、シャンパンを開ける。封を切らず写真の前に置いていた相手からの手紙を読むと、現地で自分を世話してくれた看護婦と婚約する、とあった。失意のどん底にいると電話が...
2023.07.15 16:09映画 『夜行列車』監督:イェジー・カヴァレロヴィチ、脚本:イエジー・ルトフスキ、イェジー・カヴァレロヴィチ、撮影・ヤン・ラスコフスキ、音楽:アンジェイ・トゥシャスコフスキ(アーティ・ショウ「ムーン・レイ」を編曲)、1959年、100分、ポーランド映画、配給:新外映、原題:Pociąg(列車、英語圏=The Night Train)『水の中のナイフ』(1962年)のレオン・ニェムチック、『尼僧ヨアンナ』(1962年)のルツィナ・ウィンニツカ、『灰とダイヤモンド』(1958年)のズビグニェフ・ツィブルスキが主な出演で、『影』(1956年)のイグナツィ・マホフスキも脇役で出ている。一列車内の乗客たちによる群像劇のなかに、中心的な人物が置かれるという構図である。冒頭とタイムリー...
2023.05.29 15:52映画 『上海ジェスチャー』監督・脚本:ジョセフ・フォン・スタンバーグ、原作:ジョン・コルトン、撮影:ポール・アイヴァノ、音楽:リチャード・ヘイグマン、主演:ジーン・ティアニー、ウォルター・ヒューストン、ヴィクター・マチュア、オナ・マンソン、フィリス・ブルックス、1941年、94分、アメリカ映画、原題:The Shanghai Gesture当時、本邦未公開の映画であった。ジョセフ・フォン・スタンバーグが、一連のマレーネ・ディートリヒとの二人三脚の作品を「すべて撮り終えた」あと、だいぶ経ってから製作された作品。作家同様、成し遂げるべきものをすべて成し遂げてしまったら、あとは静かに引き下がるか自ら強引に消え去るしかないのだろうが、スタンバーグは『上海特急』(Shanghai Exp...