製作・監督:アルフレッド・ヒッチコック、脚本:サミュエル・テイラー、原作:レオン・ユリス、撮影:ジャック・ヒルデヤード、編集:ウィリアム・H・ジーグラー、音楽:モーリス・ジャール、主演:フレデリック・スタフォード、ダニー・ロバン、1969年、126分、原題:Topaz
トパーズとは、旧ソ連に内通しているフランスの政府高官をさすコードネーム、とされる。
米ソ冷戦時代のスパイものであるが、登場人物が多いのにあまり整理されておらず、ストーリー上もどこに力点があるのか明確でなく、流れを追ううちに翻弄されてしまい、映画作品として楽しめなかった。
スパイものに道ならぬ恋を絡ませるというよくあるパターンであるが、描き方にメリハリがないので、感情移入もできずじまいだ。
政治的に広がりをもたせる内容は、どうしてもあれもこれもと詰め込みたくなるので、こういう内容こそ、脚本を三人くらい置いて、すっきりした進行にしたほうがよいだろう。
ヒッチコックのスパイものとしては、『引き裂かれたカーテン』(1966年)のほうが、秀逸であった。
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