映画 『ショーシャンクの空に』

監督・脚本:フランク・ダラボン、、原作:スティーヴン・キング『刑務所のリタ・ヘイワース(Rita Hayworth and Shawshank Redemption)』、撮影:ロジャー・ディーキンス、編集:リチャード・フランシス=ブルース、音楽:トーマス・ニューマン、主演:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、1994年、143分、原題:The Shawshank Redemption(redemption=贖罪、救い、名誉回復、現金への引き換え)


1947年、無実の罪で終身刑となったアンドリュー・デュフレーン(アンディ、ティム・ロビンス)が、1966年、脱獄するまでのドラマである。服役先がショーシャンク刑務所である。

少しずつ服役生活に慣れてきたころ、「調達屋」と呼ばれるエリス・ボイド・レディング(レッド、モーガン・フリーマン)やその仲間と懇意にんっていく。

アンディは初め、小さなハンマーをレッドに依頼した。彼の趣味は、拾った石で小さな彫刻を作ることであった。またあるときは、当時の人気女優、リタ・ヘイワースのポスターをほしいと頼む。届いたポスターは、アンディの独房の壁に飾られた。

そのポスターは、時が流れるにつれ、マリリン・モンローからラクエル・ウェルチへと変わっていった。・・・・・・


スティーヴン・キングの原作をフランク・ダラボンが監督した作品として、『ミスト』(2007年)に並んで有名な映画だ。

単純な脱獄ドラマではなく、劣悪な環境の刑務所内での生活ぶりや、囚人相互、囚人と私腹を肥やす所長の関係などを、長い年月をコンパクトにまとめて描いている。


屋上でビールを飲むシーン、モーツァルトの『フィガロの結婚』の一節が流れるシーン、所長がポスターに石を投げアンディの脱獄がわかるシーンなど、ほっとするような意外な感動を呼ぶシーンが多い。刑務所内という限られた空間内では、いかに観客を飽きさせないかが鍵となる。143分という尺を、さほど長いと感じさせない。


ラストは、真っ青な太平洋の波打ち際で、レッドがアンディーと再会する。二人が近寄り挨拶を交わすだろうシーンでは、ぐんとカメラが引いて、二人を遠景に撮る。あえてフレームに二人だけを撮らない、みごとなラストであった。


日常性の地平

映画レビューを中心に、 身近な事柄から哲学的なテーマにいたるまで、 日常の視点で書いています。