監督:田中徳三、脚本:長谷川公之、監修:日下部一郎、撮影:牧浦地志、編集:山田弘、照明:山下礼次郎、美術:内藤昭、音楽:池野成、主演:市川雷蔵、安田道代、1967年1月、88分、製作・配給:大映
重慶との和平交渉のきっかけをつくるべく、予備会談のため陸路上海に向かっていた日高大佐の一行が、反日集団の襲撃により殺害される。草薙中佐(加東大介)は椎名次郎(市川雷蔵)を呼び、犯人たちを割り出すよう命じる。竜(りゅう)三号指令だ。すでに南京に入っている同期の杉本(仲村隆)とともに、和平交渉団の情報を漏らしたスパイたちを、椎名は少しずつ焙り出していく。・・・・・・
全二作と異なり、椎名ら日本側のスパイも、かなり危険な状態に遭遇する。杉本は本作で、自ら爆死する。作品の舞台が上海であり、前作のように日本本土でないこともあり、まさに命懸けのスパイ合戦になってスリリングだ。
相変わらず、さまざまなスパイの小道具も出てくる。椎名がタバコに火を点けようとするが、そのライターには小型カメラが仕込んである。また、暗闇の牢屋から杉本を救う際も、椎名の口の開閉でモールス信号のようなサインを出し、闇に紛れて牢の中に落とした紙片には、ヤスリが入っている。
シナ側の女スパイに松尾嘉代、椎名の協力者に安田道代の若いころの顔も見ることができ、懐かしい。安田道代は前年、『氷点』(1966年)に出演することになる。
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