映画 『血と銃』

監督:ウィル・キャノン、脚本:ウィル・キャノン、ダグ・サイモン、撮影:マイケル・フィモナリ、編集:ジョシュ・シェイファー、音楽:ダン・マロッコ、主演:ジョン・フォスター、トレヴァー・モーガン、2010年、76分、原題:BROTHERHOOD


若者数人の乗ったワゴン車が突っ走っている。

リーダー格のフランク(ジョン・フォスター)が、そのうちの一人に、コンビニ強盗をしてこい、と命令する。地元で名誉ある若者たちの社交クラブ「シグマ・ゼータ・キー」に入会するには、この試練を超えなければならなかった。みんな初めは拒否するが、いやいや命令に従う。強盗に行った若者は、コンビニの前で待っていたクラブの先輩から、カネの入った袋をもらい、車に戻って、強盗をした、と報告する。つまり、実はこれは、単なる根性試しで、先輩たちが示し合わせて行なう、新人に対する根性試しであった。拳銃も見せかけで、弾は入っていなかった。

ケヴィン(ルー・テイラー・プッチ)の順になり、いよいよ強盗に行くが、先輩が間違って他のコンビニ裏で待っていたため、ケヴィンは「本当に」強盗として店に押し入ってしまう。ケヴィンは、一人しかいない店員を脅し、カネを出せと迫るが、店員はケヴィンに発砲する。こうして本当のコンビニ強盗になってしまう。

車に戻るのが遅いと思ったアダム(トレヴァー・モーガン)らは、店内に入って驚く。ケヴィンは肩を撃たれ、店員はカウンターに隠れていた。アダムが店員を襲おうとしたとき、その店員は、アダムとは知り合いのマイク(アーレン・エスカーペタ)であることを知る。フランクと相談し、アダムはケヴィンを担いで車に乗せ、ケガをしたマイクに口止めして、マイクを放置して、クラブハウスに戻る。

しかし、本当のコンビニ強盗になったことを周囲に知られては捕まると思い、ケヴィンを病院には連れて行かず、まだ医学生のビーン(ジェシー・ステッカート)を呼ぶことにする。・・・・・・


根性試しのつもりが、本当の強盗になってしまい、ツテでようやく本物の医師を呼ぶが、ハウスの前まで来て衝突事故を起こし、医者はふらふら状態になる。その事故で駆け付けた警官は、アダムらの同級生であったが、ハウスの中に入り事態を察したにもかかわらず、かかわりになることを避け、帰ってしまう。

次から次へとよくないことが発生し、収拾がつかなくなるが、それでもフランクらは何とか外部に洩れないように必死になる。


わずか76分の映画のなか、ほとんどのシーンで誰かが絶叫し、罵り合う。ヴァイオレンスシーンは限られ、どちらかと言えば、青春クライムムービーであろう。リアルタイムで、ある意味、息詰まる76分を提供してくれている。

若い俳優の発声や表情、体当たりの演技、セリフの掛け合いや進行のテンポなど、内容的にはたいしたことないが、低予算でも映画づくりの情熱は感じることのできる作品だ。


日常性の地平

映画レビューを中心に、 身近な事柄から哲学的なテーマにいたるまで、 日常の視点で書いています。