映画 『ラ・ラ・ランド』

監督・脚本:デミアン・チャゼル、撮影:リヌス・サンドグレン、編集:トム・クロス、音楽:ジャスティン・ハーウィッツ、主演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、2016年、128分、原題: La La Land


いわゆるミュージカル映画。

第89回アカデミー賞で、『イヴの総て』(1950年)、『タイタニック』(1997年)に並ぶ史上最多14ノミネート(13部門)を受け、監督賞、主演女優賞、撮影賞、作曲賞 、歌曲賞、美術賞を受賞した。


冒頭を飾る大空の下での大勢でのミュージカルや、踊りやシーンにふさわしい楽曲や歌、リアルからファンタジックなミュージカルへのなめらかな移行など、ひとつひとつのシーンに凝っており、こだわりを感じ、製作の苦労が偲ばれる。


しかし、全体を通じて、ストーリーに牽引力がなく、次から次に音楽と踊りを繰り出し、いきなりの場面転換を促すミュージカルという特質に寄りかかり過ぎ、最もエンタメ性を発揮できるジャンルの映画でありながら、そのエンタメ性が失速してしまっている。


映画として陳腐であり、退屈な作品であった。


日常性の地平

映画レビューを中心に、 身近な事柄から哲学的なテーマにいたるまで、 日常の視点で書いています。