監督:三池崇史、脚本:天願(てんがん)大介(=今村大介、映画監督・今村昌平の長男)、撮影:北信康、編集:山下健治、音楽:遠藤浩二、2010年、141分。
まあまあおもしろかった。内容の濃さを求めて、それがないから映画としてダメというのはレビューにあらず。
ストーリーは単純明快にして、映像でどっさり見せてくれる作品。
言葉で語らず、映像で見せてくれる…映画なら当たりまえのことを、当たり前にやってくれたことで、まあまあ評価は高いのも頷ける。
となると、どうしても、ストーリー展開が命取りになるが、妙にひねったりしなかったのが功を奏した。
悪いヤツがどれくらい悪いか、殺さなければならないほど悪いかの説明を単純に前触れ程度に抑え、そののち、十二人が集められていき、それぞれの腕前が伝えられ、やがて、落合の襲撃というクライマックスへと向かう。
必要最小限のセリフと、急に色調を落とすなど精緻に亘る映像処理と編集、音入れは、プロの仕事だろう。圧巻の場面で、音楽を一切排したのもよかった。
ラストにクレーンを使った長回しを入れ、修羅場をなめたのも、ラストシーンにふさわしく効果的だ。
役者陣が、ピンと張りつめた空気をカラダからにじませていたのもよい。時代劇に慣れている俳優とそうでない俳優との差がわかってしまうのも興味深い。
望遠でのパンフォーカスを多用し、内容に沿うよう柔らかい雰囲気をすすんで避けているのはわかるが、殺陣のシーンで、そのまま近づきすぎて、やや見づらいシーンが多かった。
総じて、大衆受けするに充分な娯楽作品。
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