監督:アレクサンドル・アジャ、脚本:アレクサンドル・アジャ、グレゴリー・ルヴァスール、撮影:マクシム・アレクサンドル、編集:バクステール、音楽:フランソワ・ウード、主演:セシル・ドゥ・フランス、マイウェン、2003年、91分、フランス映画、原題:Haute Tension
邦訳は原題どおり。
マリー(セシル・ドゥ・フランス)とアレックス(マイウェン)は、勉強に専念するため、アレックスの両親が住む田舎の一軒屋に泊まりにいく。アレックスには、両親のほか、弟がいる。
その晩、皆が寝静まったころ、車の音がし、見知らぬ男が侵入してきて…。
ホラー映画としては構成や運びがよい。カメラは特殊なものはなく、オーソドックスな撮影で、かえって安心して見ていられる。
冒頭のタイトルバックの映像がラストにつながり、帳尻が合っている。
ストーリーは、『マーターズ』に比べれば単純明快で、神がかりではなく、単純に異常殺人者の話になっている。
『オーメン』くらいのオカルト映画ならまだしも、どうも、神がかり宗教がらみのストーリーをホラーに結びつけるのは鼻につく。
ガソリンスタンドが話の節目になるが、そこまでは文字通りハイテンションを保ったまま、いい具合に進行する。
異常さ、残忍さ、血の色、飛び散り方など、映像のカットの長さ短さ、色調、音入れなど、シーンごとのバランスもよい。
ガソリンスタンドのあとをどうもっていくかで、この映画のよしあしが決定的なものになるだろうと思っていた。
カーチェイスが続くと退屈になるが、そこはやや強引だけど、二台の車を逆にしたのはしかたないだろう。
通りがかった車のお兄さんは気の毒だが、そこは丸刃のチェーンソーが出番となり、スプラッター全開となる。
細身で髪の短い男の子のような風貌のマリー、というのが、ストーリー全体のキーとなっている。
殺人者の顔をふだんはほとんど見せない、へやの人形の顔にキズがある、カーステレオの歌や音楽など、細かい演出も効いている。
やはりホラーは刃物やナタであり、拳銃は似合わないのもよくわかる。
キーワードは、道端の首!
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