映画 『スペル』

監督:サム・ライミ、脚本:サム・ライミ、アイヴァン・ライミ、撮影:ピーター・デミング、編集:ボブ・ムラウスキー、音楽:クリストファー・ヤング、主演:アリソン・ローマン、2009年、99分、アメリカ映画、原題:Drag Me to Hell

邦題の「スペル spell 」は、「呪文」という意味。


一応ホラー系のようだけど、笑っちゃうシーンもあって、はっきりカテゴライズできない作品。 でも、マジに神経質なホラーよりは、ビジュアルに楽しませてくれるから肩が凝らなくていい。

ストーリーはひととおり辻褄か合っているし、難しい話でもなく、場面の展開も一定のテンポで進むので疲れないし飽きもこない。

 

冒頭からちょこちょこ出てくるハエや、恐怖を引き起こす黒い影など、CGをうまく使いこなしている。メインテーマはじめ音楽がミステリアスでとてもよい。

ことのきっかけになる婆さんの気色悪さ満点の演出がおかしい。ホチキスのタマが顔に刺さったままとか、定規を口にぶちこまれるとか、ステキなシーンも多い。


CGもたくみに利用されていて、ハエのシーンやヤギの噛みつく顔にはやはり笑わせられる。ホラームービーは映像勝負だから、多少脚本負けになっていても『13日の金曜日』などヒットを生む。

しかし、これは曲がりなりにもストーリーもあり、エンターテイメント性もあり、『13日…』や、屁理屈こね回しのこむずかしい映画よりは、まともな映画だ。

ホラームービーが興業収入の面でも歓迎されるのはそのへんが要因だ。


この映画はホラーホラーしていないところがいいので、普通の映画として鑑賞できると思う。 ただし、口からいろいろ噴き出すシーンも多いので、そのつもりで…

主演の女優はかわいらしいが、それにしても大変なシーンも多く、ごくろうさまと言いたい。 



日常性の地平

映画レビューを中心に、 身近な事柄から哲学的なテーマにいたるまで、 日常の視点で書いています。