映画 『東京卍リベンジャーズ』

監督:英勉、脚本:髙橋泉、原作:和久井健『東京卍リベンジャーズ』、撮影:江崎朋生(J.S.C.)、編集:相良直一郎、音楽:やまだ豊、主題歌:SUPER BEAVER「名前を呼ぶよ」、主演:北村匠海、2021年7月、120分、制作:角川大映スタジオ、配給:ワーナー・ブラザース映画


和久井健『東京卍リベンジャーズ』の実写版で、ほぼ原作どおりの進行だが、原作が長いためか、通称ドラケンの命が助かるまでを描く。

フジテレビが製作に入っているだけあって、相当なカネがかかっていることは観ていてわかる。予算がふんだんにあるのをいいことに締まりのない作品に堕しておらず、乱闘シーンやシーンのメリハリなど、飽きさせることなく引っ張っていってくれる。

登場人物が多く、また、ストーリーの成り立ちを初めて見る者にわからせるため、序盤で、それらを整理した台詞が置かれるのはやむを得ないだろう。


原作には読者の側に人物やシーンに対するイメージができ、それだけに人物のさまざまな心情を読者の思うがままにふくらませることができるが、実写となると、それらは一方的に作る側の決定事項となって観客に提供される。この点は、原作漫画の実写版に付いてまわる特性で致しかたないものであるが、この点を差し引いたとしても、緩急を織り交ぜたエンタテインメントとして、うまく仕上がった作品となっている。

つづきを見てみたいものだ。


日常性の地平

映画レビューを中心に、 身近な事柄から哲学的なテーマにいたるまで、 日常の視点で書いています。