監督:レジス・ロワンサル、脚本:レジス・ロワンサル、ダニエル・プレスリー、ロマン・コンパン、撮影:ギヨーム・シフマン、編集:ロイック・ラレマン、音楽:三宅純、主演:ランベール・ウィルソン、アレックス・ロウザー、2019年、105分、フランス・ベルギー合作、原題:Les traducteurs(=翻訳者)
フランスの人里離れた村にある広大な洋館に、9カ国から翻訳家が集められた。全世界待望のミステリー小説『デダリュス』の第3巻・完結編の各国語への翻訳のためだ。9人は、各国代表の翻訳のプロで、その中には、最年少のアレックス・グッドマン(アレックス・ロウザー)もいた。
9人が案内された場所は洋館の地下で、一人にひと部屋が与えられ、三食の食事付きで、プール・エクササイズのスペースもありながら、外部との連絡は一切遮断され、警備員もうろついている。これは、出版社のオーナーであるエリック・アングストローム(ランベール・ウィルソン)が、海賊行為と違法流出を恐れたためであり、著者の同意のもと、彼らを隔離して極秘に翻訳を進めることにしたからだ。
ある晩、エリックのもとに、「冒頭10ページをネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば、全ページを流出させる」という脅迫メールが届く。エリックは、9人の中に犯人がいるはずだと確信し、犯人捜しを始める。・・・・・・
内容は、ミステリアススリラーともいうべき作品で、ひとえに脚本の出来ばえが、映画の完成度に貢献している。エリックがどうやって、この9人を選んだか、アレックスが、どうやって仲間を募ったかという点は説明がないが、それ以外のストーリー上の点で、不足する情報はない。
いわゆるどんでん返しものだが、ラストに来てのそれではなく、ストーリー上、中盤あたりから少しずつどんでん返しが行われていく。短い会話によってストーリーがどんどん進んでいくので、目の離せない展開だ。
撮影や編集に特別なものはないが、短い会話や対話を、短いショットでつなぎ、緊張感を損なわないようにしている。エリックの子供の時代の子役に、主役と似ている子供を使っているのもよかった。
エリックの<筋書き>は、意に反し、犠牲者一人と負傷者一人を生むが、最終的には、当所の目的であった意趣返しを果たして、ストーリーは終わる。
エンタメ性を盛り込み、おもしろい作品であった。
途中で出てくる、印刷の早いコピー機は、日本製だというセリフがある。
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